「キャバクラって、料金トラブルが多いって聞くけど、実際どうなの?」
華やかな夜の世界、一度は憧れる方も多いのではないでしょうか。しかし、楽しい時間を過ごすはずだったキャバクラで、料金トラブルに巻き込まれてしまうケースが後を絶ちません。
ボッタくりと言われても仕方がない料金設定をしているお店があることもそうですが、料金トラブルは、決して一部の悪質な店だけの問題ではありません。サービス料やカード手数料など、近年では料金システムが複雑化し、思わぬ落とし穴にはまることも。
今回は、キャバクラ事情に詳しい中洲派遣ティアラが、キャバクラでよく起きやすい料金トラブルの種類と、それを回避するための具体的な対策、そして万が一トラブルに巻き込まれた場合の対処法まで、徹底的に解説します。
案内所の説明不足による料金トラブル:知っておくべき落とし穴と対策

「え、聞いてた話と全然違う…!」
無料案内所からの紹介で店を訪れたものの、会計時に予想外の高額請求に驚いた、そんな経験はありませんか?
キャバクラは、無料案内所からの紹介で新規のお客様を獲得することが多く、集客のために様々な料金特典を用意しています。お客様は、「1ドリンク無料!」 「セット料金割引!」などの特典付きで案内を受けます。
魅力的な特典につられて来店するお客様は多いですが、特典に気を取られるあまり、肝心の料金システムをきちんと理解しないまま入店してしまうケースが少なくありません。その結果、
「思っていたより高い…」 「こんなはずじゃなかった…」
といった料金トラブルに繋がってしまいます。多くの料金トラブルは、お店側の説明不足が原因で起こっているのです。
お店のスタッフは、新規のお客様には、例え店内が忙しい状況であっても、メニュー表を開いて、全ての料金項目について丁寧に説明しましょう。セット料金、シングルチャージ、延長料金、指名料、サービス料、消費税、その他に発生する可能性のある料金について具体的に説明する必要があります。
お客様は、お店に向かう前に、「予算は〇〇円まで」 「〇〇円ポッキリなら行きます」 など、自分の予算を明確に伝えてから案内してもらいましょう。
ドリンク料金が高すぎるトラブル:相場を知り、スマートに対処!

「え、ドリンク1杯3,000円!?」
キャバクラのドリンク料金は、お店によって大きく異なります。 「女の子のドリンク代は1,000円」 そう思っている方も多いかもしれませんが、最近のキャバクラでは、女の子のドリンク代が2,000円~3,000円というお店も存在しています。高級店だとそれ以上の料金の場合もあります。
お客様が料金を把握していない場合、 「ぼったくりだ!」 と感じてしまうのも無理はありません。しかし、メニューにしっかりと表示されている場合、支払うしかありません。
ただ、女の子のドリンクの料金相場は1,000円というのは正しい感覚と言えます。
新規のお客様に何の説明もなしに3,000円のドリンクをバンバン注文すると必ずトラブルになります。
女の子は、1,000円より高いドリンクが飲みたいのであれば、ドリンクの料金を説明したうえでオーダーするのが理想的です。
お客様は、女の子から「ドリンク頂いていいですか?」と言われれば、「いいよ!」と快く言ってくれます。「ドリンクっていくらなの?」とは聞きませんし、いちいち聞きたくありません。
このような、気分良くカッコ良く飲みたいお客様の心理を逆手に取って、無断で3,000円のドリンクを頼む場合、ぼったくりキャバクラと言われても仕方ないと思います。
お客様は、気になる場合には、メニュー表でドリンク料金を確認しましょう。女の子から「ドリンク頂いていいですか?」と聞かれた際、「いくらのドリンク?」と、料金を確認するのは、決して失礼なことではありませんし、むしろ、賢いお客様の振る舞いだと思います。
自動延長による料金トラブル:知っておくべきシステムと注意点

「え、何でこんなに高いの!?延長料金!?」
キャバクラで、時間があっという間に過ぎ、気がつけば高額な延長料金を請求されていた…そんな経験はありませんか?キャバクラでは、ワンセットが終了する10分前にお知らせをする制度がありますが、お店によっては、何のお知らせも無しに自動的に次のセットに延長される制度もあります。これが「自動延長」です。
自動延長によるトラブルは、セットの終了時間に気が付かないお客様も悪いのですが、自動延長について説明していない場合、トラブルになる可能性が高いです。
逆に、スタッフがセット終了のお知らせをすると「早く帰れってことか?」と機嫌を損ねられたりもします。
キャバクラ店のコンセプトとして、「お客様にゆっくりと楽しんでもらいたい」がための自動延長システムなので、良い制度だと思います。しかし、事前の説明が無い場合はトラブルになる可能性が高いので、新規のお客様に対しては自動延長システムの事前説明が必ず必要です。
お客様は、入店時に、 「延長システムはどのようになっていますか?」 と、お店のスタッフに確認しましょう。もし、延長を希望しない場合は、セット時間終了前に、お店のスタッフに伝えましょう。 「今日はこれでお願いします」 と、はっきりと伝えることが大切です。
タックスと過剰なサービス料で料金トラブル:内訳を理解して、スマートなお会計を!

「え、合計金額、高すぎ!」
キャバクラで、会計時に想定外の金額を請求され、驚いた経験はありませんか?
料金トラブルの原因として多いのが、タックス(税金)とサービス料です。
タックスとは消費税のことを指します。一般的にはそうなのですが、キャバクラの場合は、タックスが20%~30%と過剰に多い場合があります。それは、タックスが10%、サービス料が10パーセントで、合わせて20%のことをタックスと言っているのです。キャバクラなどのお店に慣れておらず、タックスという言葉の意味を理解していないお客様にとって、サービス料の加算はぼったくりでしかありません。
例えば、タックス別で60,000円の会計に対して、
消費税10%をイメージしているお客様の場合、66,000円となるはずですが、
そこに、30%の78,000円の請求が出てきたら…
それは怒っても仕方ないと思いますよね。
お客様が、「タックス=消費税10%」という認識の場合、サービス料が加算されることへの理解が不足していると、トラブルになる可能性が高いので、新規のお客様にはしっかりと料金体系について説明する必要があります。
お客様は、初めて行くお店では、タックス(サービス料)について、しっかりと確認をしておくことで、トラブルを回避することができます。
カード手数料による料金トラブル

「カードで払ったら、え、こんなに高くなるの!?」
キャバクラで、カード決済を選択した際に、予想外の金額を請求され、驚いた経験はありませんか?
キャバクラでは、クレジットカードで支払う際に、カード会社への手数料を上乗せされることがあります。
これは、「カード会社からお店が手数料を引かれる分を、お客様に負担してもらう」 という考え方に基づいています。
しかし、一般的にカード決済の際に手数料が上乗せされることはなく、他の業種では見られない慣習のため、トラブルになりやすいです。前述したタックス(サービス料)30%にカード決済手数料10%を加えると40%にもなります。こうなると、10万円の会計の場合、14万円になり、お客様が 「ぼったくりだ!」 と感じてしまうことも理解できます。というか、やりすぎ感が否めません。
キャバクラなどの夜のお店がクリーンなイメージになれないのは、このような料金システムに原因があります。
お客様は、カードで支払う前に、「カード手数料はかかりますか?」「手数料は何%ですか?」と、お店のスタッフに確認しましょう。また、現金払いも検討しましょう。キャバクラ店に行くときは事前にATMでお金を用意しておくのも良いでしょう。
なぜ高級店で料金トラブルが起きやすいのか?

高級店では、「お客様は金銭的なことにはこだわらない」 「料金の説明をすると、野暮ったいと思われる」といった考え方から、料金説明を積極的に行わない傾向があります。
高級店のお客様はお金持ちの方ばかりなので、「料金のことはあまり聞きたくない」 「お金がないと思われたくない」という心理から、料金システムを詳しく確認しない場合が多いです。
スタッフがテーブルで料金説明をしても聞いていないお客様が多く、支払いについて心配されてるような料金説明をすると癇に障ります。「金が無くて支払えないと思っているのか?」と怒り出す方までいます。
しかし、そんなお客様でも、会計時に予想外の金額を請求されたり、料金の内訳が不明確な場合、クレームに発展します。
細かく説明しないとわからないような料金システムのキャバクラは、料金体系そのものを考え直した方が良いと思います。例えば、サービス料として20%取りたいのであれば、1,000円のドリンク料金を1,200円にしておけば良いことです。わかりやすい料金システムで明朗会計であることに越したことはありません。
お客様は、料金システムが明確で、わかりやすいお店を選ぶことも重要です。
キャバクラの料金トラブルで警察を呼ぶとどうなる?:知っておくべき現実

「料金で揉めて、もう手に負えない…!警察を呼べば解決する?」
キャバクラで料金トラブルが発生した場合、警察に助けを求めることを考えるかもしれません。しかし、警察が介入できる範囲は限られています。
警察が介入できるケース
お客様が、最初から料金を支払う意思がなく、カードも現金も持っていない、または、そもそも騙すつもりで来店した。この場合、無銭飲食として、お客様を逮捕する可能性があります。
警察が介入できないケース
「料金に納得がいかない」 「料金が高すぎる!」と揉めている。この場合、民事不介入の原則に基づき、警察は介入しません。警察官は、 「お互いで話し合ってください」 と言って、その場を去ることがほとんどです。
料金トラブルは、民事上の問題として扱われるため、警察は介入できません。 つまり、 「お金の貸し借り」 「契約上の問題」 といった、個人的なトラブルは、当事者同士で解決するのが原則です。
トラブルを未然に防ぐために、警察を呼ぶ前にできることがあります。
まずは、冷静に話し合い、料金の内訳を明確にして誤解がないかを確認、解決策を探りましょう。
話し合いがまとまらない場合は、領収書、メニュー表、会話の録音などの証拠を確保しておきましょう。そして、消費者センターや弁護士などの第三者に相談することも有効な手段です。
料金トラブル時のキャバ嬢の対処法:安全第一で、スマートに対応!

「お客様との関係が悪化したら、どうしよう…」
キャバ嬢として、料金トラブルに遭遇した時、どのように対応すれば良いのか悩むこともあるかもしれません。
料金トラブルが発生した場合、口論がエスカレートし、危険な状況になることを避けるため、まずは席を外しましょう(安全第一です)。
また、金銭的な話を女性の前ではしたくないという男性心理、お客様の心理を尊重するためでもあります。
別のテーブルで、他の顧客の接客をするなど、状況を冷静に見守りましょう。
どうしても話し合いに参加する必要がある場合は、状況を正確に把握し、事実だけを伝えて、金銭的な要求は、男性スタッフに任せましょう。
支払いの話にキャバ嬢が首を突っ込むと、心身的なダメージや今後のイメージ的にも損をするだけです。
トラブル後、お客様と接する際は、笑顔でいつもと変わらない態度で接しましょう。
キャバクラには料金トラブルを防ぐための法律がある!

キャバクラで起きる料金トラブルの多くは説明不足が原因です。
細かく説明をしなくてはわからない、説明しても疑問に感じられてしまうような料金体系や設定をしているキャバクラ店に問題があるといえます。特にわかりにくい、タックスやサービス料、カード決済手数料は、ぼったくりと言われても仕方ないように思います。
実は、キャバクラの料金トラブルを防ぐために、法律で定められたルールがあります。
キャバクラなどの飲食店には、特定商取引法という法律が適用され、お客様に料金に関する情報を明確に伝える義務があります。
料金表の掲示義務:料金表を、お客様が見やすい場所に掲示しなければなりません。
料金の明示義務:全ての料金項目を明確に記載する必要があります。
料金表を提示していないお店は、法律違反の可能性があります。料金表を見せないお店は、料金を隠している可能性があります。料金を提示・明示していない場合は、ぼったくりなど悪質なお店の可能性が高いです。
キャバクラ店の料金表に記載しなければならない具体的な内容
法律(特定商取引法)に基づき、料金表には以下の内容を明確に記載する必要があります。
- 客が接待を受けて遊興又は飲食をする行為について、その対価又は負担として客が支払うべき料金
- 客が当該営業所の施設を利用する行為について、その対価又は負担として客が支払うべき料金で前号に定めるもの以外のものがある場合にあつては、その料金
【飲食に関する料金】 セット料金・延長料金、ボトル、ドリンク、チャーム、フードなどの料金です。
【施設利用に関する料金】 指名料、カラオケ利用料、VIPルーム利用料など、及び、その他の料金です。
つまり、店内で発生するすべての料金について明確に記載する必要があります。
キャバクラの料金表を表示する法律で定められた場所
法律(特定商取引法)に基づき、料金表は以下のいずれかの場所に掲示する必要があります。
- 壁、ドア、ついたてその他これらに類するものに料金表その他料金を表示した書面その他の物(以下この条において「料金表等」という。)を客に見やすいように掲げること。
- 客席又は遊技設備に料金表等を客に見やすいように備えること。
- 前二号に掲げるもののほか、注文前に料金表等を客に見やすいように示すこと。
このように、お客様が、容易に料金表を確認できる場所、例えば、客席にメニュー表を備え付けたり、壁などに貼り出しておく必要があります。明確に定められた場所に料金表を掲示することで、キャバクラ店の内装や雰囲気を損ねることになるとしても、法令遵守をしなければなりません。また、料金表示は、お客様に安心感を与え、トラブルを未然に防ぐために非常に重要です。


